「おコメ食べて笑おう」プロジェクトは、「おコメ」をつうじて日本の未来を考えるプロジェクトです。
「おコメ」を取り巻く状況は、日本の一次産業や地域が抱える課題を象徴しています。
まるで当たり前のような私たちの生活は、全国各地の農業・林業・水産業や自然・文化が生み出す様々なモノやコトに支えられていますが、それらは少しずつ確実に失われつつあります。
「おコメ食べて笑おう」プロジェクトは、日本の一次産業や地域を見つめ直し、日本の笑顔のために協働します。
“おコメ” のチカラ
それでも減り続ける“おコメ”
世界の人口は更に増加し続けます。食料の安定輸入は担保されません。
現在、日本の耕地面積（穀類・いも類栽培）で養える人口は約7,000万人です。
ホカホカごはんに、好きなもののせて、ガツガツ、むしゃむしゃ。
なんだかあったか、なんだかうれしい。あ〜日本人に生まれてよかったよかった...
なんて思いますよね。正直、たまに悪者にされちゃうおコメですが、ほんとは美容にも健康にもとっても大切。
そして実は、幸せな未来をつくるためにも、おコメはとっても重要なんです。
みんながおコメを食べれば日本中の農家や地域が笑顔になる。
そうすれば、日本中の街や人が、みんな笑顔になっていく。
世界が大変な時代でも、日本の食や国土が守られたり、大切な文化や景観が継承されたり…。
まさに「お米のチカラは、日本のチカラ。」
だから始めます。「おコメ食べて笑おう」プロジェクト。
都市も地方も、おコメ好きな人も最近食べてなかった〜なんて人も、お箸とお茶わんの準備をして、みんなで一緒におコメを食べて、日本の未来を笑顔にしませんか？
日本の食料自給率（カロリーベース）は、1965年の73％から減り続け、2021年には38％まで低下していますが、お米の自給率はほぼ100％。しかも2000年以上も栽培されている、日本の風土に最適の穀物です。
水田は、お米を育てるだけではなく、多様な生物たちの住処でもあります。微生物から虫、爬虫類や魚、鳥などが「食物連鎖」によってつながりあって生きています。水田を維持することは、日本固有の多様な生物を守ることにつながります。
あぜに囲まれた水田には、雨水を一時的に貯めておく働きがあり、洪水を防止する役割を果たしています。また、地下水位の急上昇を抑える働きもあり、地すべりを防止しています。日本全国の水田に貯留できる水の量は約50億m3で、これは東京ドームの約4,000杯に相当します。
みなさんが大好きな日本の“お祭り”、これは米作りをはじめとした農業に由来するものがほとんどです。五穀豊穣を祈願するもの、収穫への感謝などがその起源といわれ、全国各地、その土地ごとに様々な伝統行事が残されています。これら日本独自の文化を形成し、受け継いできたのは、その地域で米作りを行ってきた地域コミュニティです。
おコメはわたしたちの財布にとても優しい食べ物。価格で比較するとカップ麺１つでお茶わん約7杯分、ハンバーガー1つだとお茶わん約8杯分のごはんを食べることができます。
パンや麺類の需要が増える一方、お米の需要は年々減少しています。日本人が１年間に消費するお米の量は1962年の118.3キロをピークに減少し、2022年は50.8キロとピーク時の半分以下になっています。
米の平均取引価格は1993年産の1俵（60キロ）22,813円から長期的な下落傾向にあり、2021年産はコロナ禍の影響もあって12,860円まで下落しました。
ウクライナ危機などの世界情勢の影響を受け、おコメの生産に必要な肥料や燃料の高騰が続いています。コスト削減や効率化などは進められていますが、需要が減っていくなかで米価は上がらず、赤字経営が続いています。
生産者の高齢化や消費減少・米価下落を背景に、おコメの生産者や水田面積は減り続けています。
日本のお米の消費は、食の多様化や少子高齢化等を背景に、1960年頃をピークとして減少を続けています。食料を将来にわたって安定的に国民に供給していくためにも、国内で唯一自給可能な穀物である米の消費拡大は極めて重要な課題です。
また、お米が生産される水田は、日本の気候風土に適した持続的な食料生産基盤であるとともに、国土・環境保全、日本人の歴史・文化とも密接な関係を持つなど、多面的な機能を有しています。
こうした中、米の消費拡大に向け、企業・大学・団体・行政が業界・業種の垣根を超え、新たな切り口から連携する「おコメ食べて笑おうプロジェクト」は、とても意義のある取組です。多くの方が本プロジェクトに参加し、農業、地域の活性化に繋がるよう応援しています。
環境省では、自然と人の営みである「森里川海」の恵みを将来にわたって享受できる国づくりをめざし、「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを推進しています。また、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全しようとする「30by30」目標を掲げ、里地・里山・里海に、生物多様性保全はもちろん社会経済的な課題の解決に寄与する場所として光を当てる仕組みづくりを進めています。特に水田は、多様な生き物を育むゆりかごであり、洪水などの災害を防ぐ機能も有しています。
さらに、待ったなしである気候変動に対する取り組みとして、エネルギーや食料などの地産地消を進め、地域循環共生圏（ローカルSDGs）を創造していくことも必要です。環境省としても、日本各地と都市部が有機的につながる仕組み及び一人ひとりの行動変容を促す「おコメ食べて笑おう」プロジェクトの趣旨に賛同します。
①「つなげよう、支えよう森里川海」
※https://www.env.go.jp/nature/morisatokawaumi/
②「30by30」
※https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/
③ 地域循環共生圏（ローカルSDGs）
※http://chiikijunkan.env.go.jp/
